LOVEの「今日ここライブ」が相馬に行くという事

 LOVE × 髙橋誠 先生(相馬市教育委員会 防災士) LOVE × 髙橋誠 先生(相馬市教育委員会
防災士
「子どもたちを見守るという事」

1. 6年間、受け取ってくれた人。

1. 6年間、
    受け取ってくれた人。

LOVE(以下L):私が今日ここライブを通じて相馬市の小学校に文房具を贈り始めたのが2012年、髙橋先生(以下T)と初めてお会いしたのが翌年の2013年ですね。用事があって相馬に行ったときに地元の知人に飯豊小学校に連れて行っていただいたら、たまたま土曜日だったのに髙橋先生がいらっしゃったんです。
T:そうでしたね、それが初めての出会いでした。
L:髙橋先生とは不思議なご縁ですよね。文房具を贈っていた6年間は、ちょうど髙橋先生が飯豊小学校の校長先生を務めていた期間と重なるんです。つまり髙橋先生は、今日ここライブの文房具を受け取り続けてくれた方なんです。
T:2012年に飯豊小学校を含む相馬市内の小学校の1年生に文房具を贈っていただき、1年ごとに学年が増えて、2017年には全学年に贈っていただきましたね。それがちょうど、私が飯豊小学校の校長を退職する年でした。
(2014年3月、飯豊小学校校長室を訪問時) (2017年3月、飯豊小学校、卒業前の6年生の教室)
(2014年3月、飯豊小学校校長室を訪問時)
(2017年3月、飯豊小学校、卒業前の6年生の教室)
L:そういう意味では、今日ここライブにとって2017年4月は一つの節目になったわけですけど、もう一つ、違う意味でも節目になるんですよね。
T:そう、2011年の震災時に生まれた子どもが、ちょうど1年生になる年でもあったんです。
L:髙橋先生が「これからは震災を経験していない子どもたちにも震災のことを伝えていく必要がある」と仰っていたのがすごく印象に残っています。
T:伝えていかないと風化してしまいますから。私が今防災訓練の指導に力を入れているのも、子どもたちにあの震災を忘れないでほしいと思っているからです。
L:つらい出来事を時が癒してくれることも必要ですが、忘れたくないこともありますよね。
T:防災訓練は明るい未来を創るためにも必要ですから。私も震災の体験者として、できる限りのことをしたいんです。
L:髙橋先生は震災を相馬で経験していらっしゃいますよね。
T:ええ、震災が発生してから数ヶ月は、避難所で支援活動にもあたっていました。
L:先生は保護者の方たちとはまた違って、学校関係者という立場で子どもたちを守る必要に迫られたと思います。
T:そうですね。子どもたちを守るためにもまずは学習しかないと思い、自分たちも放射能について学びましたし、子どもたちにも放射能学習を実施しました。
(2012年2月LOVE撮影、飯豊小学校校庭)
L:飯豊小学校の校庭にガイガーカウンター(放射能測定器)が設置されているのを最初に見たときは驚いたのですが、学校は一番安全であるべき場所ですから、理にかなっていると私も考えるようになりました。ガイガーカウンターを設置するとき、先生はどんなお気持ちでした?
T:科学的な数値によって安心感を得られるのであれば、子どもたちにとっても、保護者の方々にとっても良いことだと思いました。ガイガーカウンターは今でも飯豊小学校の校庭に設置してありますよ。
(2012年2月LOVE撮影、飯豊小学校校庭)
L:目の前で起こったことに対して的確な学習をするという姿勢は、必要不可欠な事だったと思います。この震災を経験した人たちから、私たちが教わることがたくさんあるのでしょうね。