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LOVE × 菊地基文
(相馬原釜漁港・漁師)
LOVE × 菊地基文
(相馬原釜漁港・漁師)
「地元の力があってこそという事」
2. 相馬の海、漁業の今
L:菊地さんたちにお会いして、相馬の人たちが持っている「新しいものを作るパワー」は本当にすごいと思ったんですよね。例えば、菊地さんが編集長を務める「そうま食べる通信」のクオリティには驚きました。相馬の海産物などの紹介だけでなく、生産者の人生まで掘りさげる誌面が素晴らしいし写真も素敵で!
K:もともと編集スキルゼロの人間が集まって作っていますからね。写真も一から勉強したんですよ。
L:「この人たちと一緒に何かをやりたい」と思えるような誌面でした。福島県産の食べ物の安全性について、
私自身、東京にいて、誰のどの情報を信頼すればいいのか、正直戸惑うんですよね。最終的には自分の判断だから、作り手の顔をみてその方の姿勢を知ることで、わかることがこんなにあるんだな
って。
K:それは嬉しいです!震災後は食の安心・安全について、特にシビアに考えるようになったから。
(2017年12月、松川浦漁港、LOVE撮影。連なる相馬港や
原釜漁港など、震災前の相馬は、蟹/タコ/小女子/カレイなど
日本有数の漁獲量を誇る港を有する沿岸部だった)
(菊地氏所有の漁船、清昭丸)
(2017年12月、松川浦漁港、LOVE撮影。
連なる相馬港や原釜漁港など、震災前の相馬は、蟹/タコ/小女子/カレイなど日本有数の漁獲量を誇る港を有する沿岸部だった)
L:震災後、水産物の生産にはどんな経緯があったんでしょう?私も全貌がわからないので知りたくて。
K:しばらくは、魚を捕ることができませんでしたよ。
L:そうですよね。今は、どんな状況なんですか?
K:震災から一年以上経過したころに、ようやく市場調査という形で試験操業が始まって、放射性物質が検出されていない水産物を少しずつ流通させることができるようになりました。当時はたったの3種類限定でしたが、それから徐々に増えて、今はようやく100種類くらいの水産物を扱えるようになっています。
水揚げ後、必ず漁港内の検査施設と行政機関の二重の検査体制で測っていますよ。海産物の出荷基準値も国が定める値の半分っていう、より厳しい基準値を独自に設定してる
ので、福島県産の魚介類は今や日本一安全なものだと思っています。
L:そうなんだ。そういう話を聞くのは初めてです。漁師の友だちって他にいなくて…。
K:そんなにたくさん漁師の友だちはできないよね(笑)。
(菊地氏所有の漁船、清昭丸)
L:今は週に何回くらい漁に?
K:震災前は底引き網の漁に何泊も出ていたけど、今は多くて週に三回くらいですね。でも、陸にいる時間が増えた分、相馬を盛り上げる企画に時間を使えるようになって。今は農作物や水産物を、生産者が直接販売する企画を増やしたいと考えています。
(2017年12月、LOVE撮影、
松川浦ホテルみなとや屋上より松川大橋方面)
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