4. 2018年、相馬の海が開かれる！

(2017年3月、LOVE撮影。相馬市、原釜尾浜海水浴場) (原釜尾浜海水浴場内、くじらのシャワー。現在は取り壊されている)

(2017年3月、LOVE撮影。
相馬市、原釜尾浜海水浴場) (原釜尾浜海水浴場内、くじらのシャワー。
現在は取り壊されている)

L：そういえば震災後はずっと遊泳禁止だった相馬にある尾浜という大きな海水浴場が、2018年にやっと海開きされるんですよね！

K：そう。うれしいニュースですよね。俺たちは小さいころから海で泳いで、ちょっとでも時間があれば竿を垂らして釣りをして…。海に育ててもらいましたから、海は自分たちの原点なんです。

L：そんな尾浜の海開きについては相馬のみなさんもいろいろな思いがあるでしょうけど、私はその事実を世間のニュースとはまた違った形で、今日ここライブから全国に伝えたいと考えているんです。

と、海の話が出たところで…。以前に、世界で200年ぶりに発見された「新しい青」の話をしましたよね。今日はその貴重な青の顔料を持ってきましたよ！

K：これが噂の！確か俺たちがLOVEさんのプレゼンで盛り上がって今日ここライブ相馬の原点となったのも、この青だったもんね。綺麗だな。

L：ほんとに綺麗ですよね。この顔料にインスパイアされた世界初のクレヨンをアメリカのクレヨラ社がつくったというニュースを見て本社に提案してみたんです。なんとご理解いただけて、「今日ここライブにクレヨンを提供します」というお返事を頂けたんです。日本では未発売の「新しい青」のクレヨン‘Bluetiful’を使った、日本初のお絵かきワークショップも実現できそうです。

K：それはすごい！

(2017年7月。原釜尾浜海水浴場内、
震災前からある防波堤。)

L：菊地さんもこの「新しい青」に興味を持ってくれていましたよね。「尾浜の堤防をこれで塗るか！」という話も出ていたような。

K：塗っちゃいますか！

(2017年7月。原釜尾浜海水浴場内、
震災前からある防波堤。) (2018年2月。相馬港では、新たな津波対策用防波堤が3.2km建設予定、着工済) (2018年2月。相馬市より北へ仙台方面、
相馬市の隣町である新地町・釣師浜の防波堤。
福島・宮城・岩手までをつなぐ防波堤が
沿岸部一帯で建設されている)

L：塗れたらいいんですけど…そもそも顔料は塗料ではないので、これを使ってペイントを作れないか、今、各所トライしています。残念ながら、この顔料自体がとても高価なので、堤防を塗るのはすぐには難しいかもしれません。でも今後、この「新しい青」が持っているストーリーは、きっと相馬にもリンクすると思うんです。

K：ストーリーって？

(2018年2月。相馬港では、新たな津波対策用防波堤が
3.2km建設予定、着工済) (2018年2月。相馬市より北へ仙台方面、相馬市の隣町である
新地町・釣師浜の防波堤。福島・宮城・岩手までをつなぐ防波堤が
沿岸部一帯で建設されている)

L：この「新しい青」の顔料には、紫外線を100％はじく性質がある、ということは、理論上ではあるけど、色褪せない可能性が高い。福島県で、そして日本全体で、これから何十年も続くであろう放射能の後処理という課題や試練に取り組むために、対比になる新しい希望として永いメッセージを生むならこの「新しい青」は適役だと思うんです。だからこの「新しい青」を相馬から発信してみたい。もしペイントを作ることができたなら「SOMA BLUE」という名前を付けたいと思っています。

K：いいですね。SOMAにはサンスクリット語で「月の神」という意味もあるので、きれいな名前になりますよね。堤防は無理だとしても、何かしらのモニュメントをこれで塗るとか。

L：そうですね、そしてそのモニュメントを全国に連れて行って旅をさせてみるとか…いろいろと発信の方法はあるはずです。思いきって、船を塗ります？

K：いいけど、普通にその船を普段の漁で使うから海上保安庁に怒られちゃうよ！

L：海と同化しちゃいますね(笑)。

K：見えないよ！って(笑)。まぁ、何を塗るかはおいおい考えるとして。

L：相馬の皆さんのご意見、聞かせてくださいね。

K：もちろん。相馬はおいしい海の幸が豊富ですし、雄大な自然も楽しむことができます。このイベントをきっかけに、一回来れば絶対に「また来たい！」と思ってもらえることを願っています。

L：相馬のみなさんと知り合ってからは新しい発見が盛りだくさんで、「知る」ということがこんなに楽しいことなんだと再認識できました。お客さんには、会場で菊地さんを見つけたら気軽に話しかけてもらってもいいですか？

K：いいです！お待ちしています！